2012年1月21日土曜日

フランス料理の歴史 ~ 皿、フォーク、ナプキンもなし。


皿、フォーク、ナプキンもなし。





14世紀までは、フランスでは各人用の皿を使っていなかった。


液体分の多い料理には鉢を使って、二人でひとつも鉢を共用した。

「メナジェ・デュ・パリ」(パリの家政の書)には、

ひとテーブルに16人がつき、「食事には八つの鉢を出した」と書かれている。



流れ出さない料理には、丸く切った厚いパン・トランショワールか、タイヨワールと呼ばれるのが皿の代わりに用意した。テーブルの道具としてナイフとスプーンがあり、フォークはまだない。

殆ど皆自分の指を使って食べた。(手掴み)



ナプキンはまだなく、会食者のほうに長く垂れ下がったテーブルクロスで指をふいてた。

(現代でも、フランス料理のレストランのテーブルクロスの端は長く垂れ下がっている。)



ナイフは、幅広の短刀や短剣で、武器と食器を共用した

。食事用のナイフはまだない。

ローストした丸一頭分の獣肉を、家の主人が長剣で客人の前で

見事な剣捌きを披露しつつ、

「料理を切り分ける。」(デクパージュという。今でも、レストランでは料理を客の目の前で切り分けるサービスがある。)



当時は騎士社会で料理の剣さばきで優れた剣の使い手であることを伺わせる演出方法だった。招いた客人に与えられる最大の栄誉が、料理の切り分けを招いた客人自身にするように奬める事。

0 件のコメント:

コメントを投稿